HON MONO WORKSのhonです。
HON MONO WORKSでは、タンニンなめしの革を拘って使用していますが、そもそもタンニンなめしの革とは、具体的にどのような特徴がある革なのか。このシリーズではできるだけわかりやすく簡単に、そして私なりの言葉でお伝えしていきたいと思います。
なめし方法によって大きく左右される、革の性質。なめしとは簡単に述べると、動物の『皮(skin)』を、製品に使用しやすいように『革(leather)』へと加工する作業のこと。
そのままの皮の状態では腐敗したり、乾燥して硬くなってしまうので、柔軟性のある丈夫な革へと加工する必要があるのです。
なめし方法は大きく分けると以下の2つの方法に分かれます。
- ミモザの木など植物由来のタンニン(渋)を使った『タンニンなめし』
- 三価クロムという化学薬品を使った『クロムなめし』
(その他に上記の二つの工程をどちらも取り入れた『コンビなめし』と言う方法もあります)
タンニンでなめされた革は、伸びにくく堅牢性があります。また可塑性(力が加わって変形しても、元に戻ろうとしない性質)を持つので傷つきやすい革とも言えます。
またタンニンは紫外線や空気に触れると酸化して色が変わる(焼ける)性質があり、これが革の色が変化していく所以でもあります。
逆を言うと、タンニンなめしの革でないと革ならではの経年変化は楽しみにくいということ。
対してクロムでなめした革は、非常に柔らかくて弾力性もあるため傷つきにくい。そしてタンニンなめしの革に比べて安価で製品への加工もしやすいので、流通するファッションアイテムにも多く取り入れられています。表面を塗ったような均一な色味の革が多い印象です。
それぞれのなめし方法には、多くの点においてメリットデメリットがあるのでどっちの革の方が優れている!と言う話ではありません。
前回の投稿でも述べましたが、
- 丈夫で長く使える
- 味わい深く変化し、育てる楽しみがある
- 自然に溶け込む馴染みの良い色合い
- ひとつひとつ表情が異なり、革らしい風合いが感じられる
- 地元の産業を応援したい!
私たちが革のものづくりをするにあたって、大事にしたいと考えていたことにマッチし、探す中で巡り合ったのがこのタンニンなめしの革でした。
今思うと、色々と細かいことはさておき実際に見て触れて試して直感的に良いと思った、あの時の感覚が大切だったのかな、と思っています。
少し長くなりましたが、次回もタンニンなめしの革について、もう少し踏み込んでお話します!