HON MONO WORKSのhonです。革のまめちしきシリーズ第2回。今回は『革の色付け方法の違いと特徴』についてお伝えしていきます。
革に色を付けるには、染料か顔料のどちらかの材料を使用します。(染料と顔料のどちらをも使う色付け方法もあります)
染料は革の内部まで色を染み込ませるのに対し、顔料は革の表面に色を乗せる方法で色をつけます。よく、染料は水彩、顔料はペンキなどと例えられていますね。
染料で染めた革は革の下地が見える状態のまま仕上がるので、もともと付いていたキズやシワも隠さず、革らしい風合いも見て取れる、透明感のある仕上がりとなります。
そして染料で染めた革は経年変化を楽しむことができます。もしも使用中にキズがついてしまっても、革の内部まで色が染みているのでお手入れでキズを目立ちにくくすることもできます。
しかし、染料は水に溶けやすいので色落ちや色移りには注意が必要です。
対して、顔料仕上げの革は革の表面をコーティングする色付け方法ですので、均一な発色で革を仕上げることができます。また、顔料で革の地肌の風合いなどもまるっと覆われるため、顔料仕上げの革は革の風合いがあまり感じられなくなります。さらに使い込んでも革ならではの経年変化はほとんど起きず、革のお手入れもそれほど必要がありません。また顔料は水に溶けないため、水が染み込みにくい革に仕上がります。
どちらの色付け方法にもメリットデメリットがあり、仕立てるものや好みにも大きく左右されることと思います。
HON MONO WORKSで使用している革は、染料で染めたタンニンなめしの革。革の風合いもそのままに色を入れ、しっかりと革の変化も感じることができる。
味わい深く、革らしい革だと言えます。