【革のまめちしき vol.3】同じ色はない?染料仕上げの革の『色ブレ』とは

【革のまめちしき vol.3】同じ色はない?染料仕上げの革の『色ブレ』とは

HON MONO WORKSのhonです。革のまめちしきシリーズの3回目。今回は、染料で染めた革ならではの『色ブレ』について触れてみたいと思います。

HON MONO WORKSで使用する革『プレジオ』の色つけ方法は、染料のみで染色を行っています。透明感のある仕上がりが魅力ですが、染料で染めた革は、仕入れる時期(ロット)によって『色ブレ』が起こりやすい革だと言われます。

革の原料は元々は生きていた動物の皮ですので、人と同じように個体差もあり、みんながみんな均一ではありません。また、湿度や気温によっても状態は左右されます。

染料で染めた革は顔料とは違い、革らしい風合いも活かしながら染め上げるため、同じ色を目指して染めてもその時々により仕上がりの色合いが異なってしまうのです。それが『色ブレ』です。

こちらは、仕入れた時期の違うプレジオのキャメル色。少し褪せたような色だったり、オレンジ味が強かったり。見る人によっては「前と同じ色を注文したのに、色が違う・・・?」そう思うことがあるかもしれません。

しかし微妙に異なる色味だとしても、それは天然のものを使用しているからこその味わい。同じように作品作りに使用しています。ちなみにキャメル色のような明るい色はエイジングでも色合いが大きく変わりますよ。

また、革の表面には天然素材ならではのさまざまな表情も残ります。牛が生きていた時についたキズや、トラと呼ばれる首元のシワ、血管の通っていた跡、シミ、ホクロ、虫刺されなどなど。(もちろん、強度面で問題となるものや、あまりにも目立つもの等は除いて製作いたしております)

何かと均一ではない素材ではありますが、こだわって使用するからには革としっかりと向き合い、できるだけ無駄にすることのないように作品に仕立てるのが、私たち作り手の大切な役割だと考えています。

ひとつひとつ異なる風合いも含め、どうか革製品を楽しんでいただければ幸いです。

 

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